「中小企業」とは、具体的にどんな規模の企業を指すかご存知ですか?
中小企業基本法という法律は、基本的に資本金が3億円以下か従業員数300人以下の企業と定義しています。
現在新卒などで就職を考えている方は「学校のクラス(40人程度)が、6〜7つくらい集まった人が働いてる」と考えれば、規模をイメージしやすいと思います。
大手企業というとグループ全体で数万人規模の企業もある中、中小企業で働くことがどういうことなのか、ご紹介します。
中小企業への就職のメリット・デメリット
中小企業で働くことの特徴は、ずばり「裁量」と「責任」の大きいことです。
裁量とは、自分ができる(しなければいけない)仕事の範囲です。
責任とは、仕事の結果に対して自分が負わなければならない責任のことです。
中小企業は大企業と比較して、担当者が自分で完結しなければいけない仕事の範囲が広いと言われています。
だから余計な手続きや調整がいらないので、仕事の決断が早いとか、小回りが効くとか、そういう良い点にも繋がります。
例えば、あるお客様に「見積もりが欲しい。いつ出せますか?」と聞かれたとします。
大企業の担当者は多くの場合、その場で期日を明言できません。
頭の中では「事務方に作成依頼して、上司承認もらって、稟議あげて、審査受けて・・・」と、煩雑な手続を想像し見積期日ひとつも言えないのです。
一方、中小企業は営業がその場で明言するでしょう。
会社に戻った後で自分で見積を作成して、すぐそこの社長の印鑑もらうだけですから。
お客様にとっては、とても嬉しい対応です。
その一方で、約束した個人の責任も大きくなります。
ミスがあったりトラブルになっても、自分で解決しなければなりません。
これが裁量と責任です。
この要素が、中小企業で働くことのメリットにもデメリットにもなります。
裁量の大きさは、仕事のやりがいにつながります。
成果も見えやすくなります。
社会人としてスキルアップしたいなら、責任のある仕事を一つ一つ完遂して、自分の実績にしていくことが不可欠です。
しかし、責任の大きさがプレッシャーになったり、トラブルの際に助けが得られない孤立感に繋がるかもしれません。
このプレッシャーをやりがいと感じてメリットに思う人、デメリットに思う人、感じ方は人それぞれです。
中小企業が合う人の特徴とは
「自分で物事を決めて進めることが好きな人」
「仕事の状況に応じて臨機応変に対応することが苦にならない人」
この両者は中小企業で働くことに向いています。
一般的に、勤怠管理(出社時刻や退社時刻、休みの管理など)は、中小企業のほうが柔軟と言われます。
きちんと成果を出してもらえれば、休んでいるかどうかなどは、あまり問わない。
そういう制度の導入が進んでいる例が多いです。
大企業で働いていて、そういう点に窮屈さを感じている人は、転職を検討してもいいかもしれません。
一方で、
「みんなで協働することが好き」
「計画通り、予定通りに物事が進まないことがとても苦痛だ」
といった方は、中小企業が向かないと考えます。
要するに個人主義色が強いのです。
中小企業の多くは管理職や社長ですら、約束した仕事を終えるため、また新たな仕事確保のために自ら日々動き回っています。
相談しても、他を助けている余裕がなかったり、精神論で答えてしまうケースも少なくありません。
その様な特徴を踏まえて、向き不向きを判断されることをお勧めします。
中小企業へ転職する際に注意したいこと
大企業から中小企業に転職すると、今まで自分が意識しなかった仕事が多く、いかに他部門に分けられてやっていたかを痛感します。
例えば、今まで技術者として働いていたとします。
大企業なら
「仕事は営業がとってくるもの」
「検査は品質保証部が行うもの」
「金勘定は経理の仕事」
という常識ができていることも少なくありません。
しかし中小企業の場合、現実的に全てを自分でやらなければならなくなる可能性があります。
実際、大企業を離れ転職してからギャップに気づき、大企業に戻れず中小を転々とする方も少なくありません。
この場合は注意が必要と考えます。
逆にフリーランスから中小企業へ就職された場合には、今まで自分でやらなければならなかった仕事をやってもらえることに感動するそうです。
当然、確定申告や決算書作りなどは、中小にも然るべき部門がありますから当然です。
まとめ
一概に大企業が良いとか悪いとか、中小企業が安定しているといったことはありません。
あなたが社会人となって活躍するためには、あなた自身がどちらの環境に向いているかを的確に判断することが大切なことです。
世間一般では、大企業でキャリアを積み中小企業に転職し、場合によっては独立したり起業したりするのが既定路線となっているようです。
日本の大企業はいまだ新卒重視で、一度退職すると戻りにくいことも一因でしょう。
しかし現在では大企業も中途採用を積極的に進めていますし、多様化は進んでいます。